工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「…わり。今日は帰るわ。」
…と、一言そういうと優介ば僕に背を向けた。
…なんで、自分の気持ちを言わないんだよ。
逃げるなよ、優介。
そうは思ったものの、言葉には出さなかった。
優介は僕の返事も待たず、すぐそこの自宅まで走っていってしまった。
…なんで優介は、自分の本当の気持ちを言わなかったんだろう?
きっと恥ずかしかったとか、素直になれなかったとかそんなところなんだろうけど。
緋奈ちゃんに意地悪ばっか言ってるくせに…内心は余裕がないんだろうなぁ。
優介の口からは聞けなかったけど、優介が緋奈ちゃんをどう思っているのかは、わかった。
…さっそく、ひとりライバルが増えたわけだ。
きっと…いや絶対、優介は緋奈ちゃんのことが好きなはず。