工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「…お、おう…」
視線を逸らしながらそう小さく短く答えた滝本くんは、しかめっつらで少し顔が赤い気がした。
ん?なんで、顔が赤いのかな?
それに、どうしてしかめっつらなのかな…。
さっきは嬉しそうな顔をしていたのに。
変だなぁ、滝本くん。
「緋奈ちゃ〜〜〜ん!」
「えっ…わぁっ!」
誰かが元気よくあたしの名前を呼んだ、と思ったら勢いよくがばっと抱きつかれた。
こんなふうにあたしに抱きつくのは…。
「りっ、陸くん!」
うん、陸くんしかいないよね。
抱きつかれた時に陸くんの髪があたしの頬に触れて、むずっとした。