工業高校のイケメン達に愛されて【上】



ちらりと左隣を見ると、とくにあたしたちの会話に入らず、自分の席でぽーっと前を見つめながら頬杖をついている相葉くんがいた。


相葉くん、いつの間に席に着いていたんだ。


えっと、相葉くんも中学生のときはみんなと同じバスケ部だったんだよね。



「相葉くん。相葉くんもバスケ頑張ってね。」



相葉くんとだけ今も全然しゃべっていないけど、やっぱり仲良くはなりたいし勇気を出して話しかけた。


入学したばかりのときはずっとシカトされてたんだけど…。



「………おう。」



相葉くんは無表情のまま、一瞬だけあたしを見て短い返事をしてくれた。


最近は、こんな感じで少しだけ返事とか相槌とかはしてくれるようになった。


話しかけるときはいつも緊張するけど、返事を返してくれるだけで嬉しい気持ちになる。


< 143 / 377 >

この作品をシェア

pagetop