工業高校のイケメン達に愛されて【上】
相葉くんは特に表情を変えなかったけど、陸くんと滝本くんはちょっと驚いた様子で坂口くんを見ていた。ような気がする…。
「へっ?そうなの?」
あたしは、坂口くんを見上げて思わずすっとんきょうな声を出した。
にこにこ爽やかな表情の坂口くんは、優しくあたしを見下ろしている。
「じゃあ、一緒に行こっ!」
せっかくだし、あたしも一緒に帰りたいな。
そう思ったから、快くOKの返事をした。
「…じゃあ緋奈ちゃん、気をつけてねっ!」
「じゃーなチビマリモ。」
さっきは驚いた様子だった陸くんと滝本くんは、もう特になにもなかったかのように、あたしに別れを告げた。
あたしもそれに「またあしたね!」と返す。
そして相葉くんと3人で西の方向へと帰って行き、あたしたちとは別れた。