工業高校のイケメン達に愛されて【上】
停車し、電車の扉が開いた瞬間、ぶわーっと車内から出る人々。
それに続いて、急いで電車へと乗り込むあたしたち。
うわあ。
車内にも予想以上に、人がたくさん…。
なんとか電車に乗り込めて、あたしは車両のはしっこに体をおさめた。
あたしの目の前には坂口くんが立っている。
…この時間の電車も朝の電車も、息苦しいなぁ。
「えっと、降りる駅は3駅先かぁ。」
ゆっくり発進する電車の中、坂口くんがぽそりとつぶやいた。
あたしは首を縦に振った。
「そう!結構あっという間に着いちゃうよ!」
「はは、そうだよね。…緋奈ちゃん、混んでるけど少し我慢してね。」
「うっ、うん…っ」