工業高校のイケメン達に愛されて【上】
『あの女、朝から男どもに追いかけられてた。』
倉庫室に来るまでに、翔が一言そう言った。
そのあとに『仕方ないから、俺がまいた。』と付け足して。
へえ、翔が女の子を助けるなんて、珍しいな。
一体どうしたんだろう。
俺は首を傾げた。
『緋奈ちゃん、かわいいもんね…。こんな男だけの学校にいるの、絶対危険だよ!』
眉を下げてそう言った陸に俺はうんうんと頷いた。
確かに陸の言う通りだよなあ。
『…だったら、あいつが危険な目に合わないように、俺らが見張ってやりゃいいんじゃねーの。』
頭の後ろで手を組んで、軽い感じで優介がそう発言した。
『それだーっ!優介、たまにはいいこと言うじゃん!』
優介の言葉に、陸が目をキラキラさせた。