工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「おはよう、みんな…。」
教室の扉を開けると、クラスのみんなはほぼ揃っていて、すでにジャージに着替えていた。
…あ、もしかして今日、朝から練習していたのかな?
そういえば、朝練やるって言ってたな…。
「おいチビ。遅いぞ。」
はじめに言葉を交わしたのは、滝本くんだった。
あたしはふらふらする身体をなんとか直立して保つのに精一杯だった。
「ご、ごめ…」
「…おい、どうした?なんか顔色悪くねえか?」
いつも意地悪な顔をしている滝本くんが、屈んであたしの顔を覗き込んだ。
その表情は少し、心配してくれているように見えた。
「緋奈ちゃん?大丈夫…?」
「無理しないで。」
陸くんや坂口くんも続いて、あたしの心配をしてくれる。