工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「ん…?」
すると、壁にもたれかかって眠っていた滝本くんが、ゆっくりと目を開けた。
「あ、滝本くん…」
目が覚めた滝本くんはいつもよりタレ目で表情がとろんとしていて。
少し、かわいいと感じてしまった。
滝本くんはあたしの方をぼうっと見つめると一瞬目を見開いて。
「…!緋奈、目覚めてたのか。」
そして細めた目をこすりながら、滝本くんはあたしの名前を呼んだ。
それに少し動揺したけど…今はそれよりも先に謝らなきゃいけないって思った。
あたしはペコリと頭を下げる。
「うん…滝本くんごめんね…。あたしのせいで、滝本くんがバスケに参加できなくなっちゃった…。」
「…は?そんなの気にしてねぇよ。」
本当に気にしてなさそうに、後頭部をガシガシと掻く滝本くん。