工業高校のイケメン達に愛されて【上】
き、気にしてないの…?
でも、滝本くんが気にしてなくても、あたしが気にしてしまう。
あんなに…楽しそうに練習していたのに。
「でも…。」
「いや、ほんと気にしてねぇから。バスケはいつだってできるし、球技大会だってまたそのうちあるだろうし。」
特に表情を変えず、滝本くんはそう言ってあくびをした。
「…ありがとう、滝本くん。」
あたしは滝本くんに笑顔を向けた。
「なっ…べ、別に!」
滝本くんは顔を赤くして、凄い勢いでそっぽを向いてしまった。
もしかして…お礼に照れているのかな?
ふふ、なんだか面白い。
「ふふっ。それに今日はあたしのこと、ちゃんと名前で呼んでくれてるね。」