工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「中村さんの隣なんて嬉しいな〜!近くで見るとさらにかわいい!」
「あ、あはは…ありがとう。」
少し食い気味でそう話す横沢くん。
あたしは少しびっくりして思わず苦笑いで、お礼を返した。
横沢くんは、そんなあたしにお構いなくどんどん言葉を並べていく。
「家どのへん?中学どこだったの?学校までどうやって来てんの?」
…横沢くんに話しかけられてから、10分くらい経ったかな。
ずっと、横沢くんがあたしに一方的に話してくる。
あたしは特に会話を広げることもできずに、さっきからただただ愛想笑いと言う名の苦笑いを繰り返している。
4人以外の男の子にはまだ慣れていなくて…。
男の子と話すのはやっぱり得意じゃない…。
ああ、うまく話せないよぉ。
しかも横沢くん、距離が近い…。
最初の方は顔をぐいっと近づけてきていたけど。
今はさりげな〜く、机ごと近寄っている気がする。