工業高校のイケメン達に愛されて【上】



____トントン…



「ん…?」



誰かに肩を優しく叩かれた。


重たい瞼をゆっくりと開いた。



「あ、あの…」



…あ?


ゆっくりと顔だけ上げると、教室にはもう先生もクラスメイトも誰もいなくて。



…ただ1人、前の席の中村が俺の方を向いて話しかけてきた。


そいつの顔はどこか不安そうな表情だ。



「な…?」



俺は身体を起こした。


寝起きで頭の働きが鈍い。



「あ、あのっ…起こしちゃってごめんなさいっ…もう授業終わったんだけど、その、」



わたわたと身振り手振り話す中村。


…なにをそんなに慌てているんだよ。


理由は、わからなくもねぇけど。


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