工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「相葉くん、ご両親にお迎え来てもらう?」
保健室の先生が、俺にそう言ったけど。
「いや…母親いないし、父親は仕事で帰ってこないんで。1人で帰ります。」
「えっ…」
驚いた声をあげたのは、中村だった。
そう、俺は、家ではいつも1人だ。
親父はいつも長期の仕事で家を空けているし、お袋は俺が小学生のときに家出した。
近くに祖父母の家はあるけど。
普段からかなり世話になってるけど…これはただの風邪だろうし、わざわざ連絡する必要もない。
けど、すぐ帰るのはキツいな…。
「でもまだ、ちょっとつらいんで。…少し休んでいってもいいですか?」
俺が横たわりながらそういうと、先生はいいわよ、と頷いて一度保健室を出て行った。
室内には、俺と中村の2人きり。