工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「あ、あのね、土曜日お祭りに行くんだけど。なにを着ていこうか迷ってて…。」
“お祭り”という言葉に反応したお母さんが、にんまりとしてあたしに笑顔を向けた。
「…まさか緋奈、彼氏できた?」
「えっ!?ちちち違うよ!!いつも仲良くしてくれてる子たちと行くの!!友達!!」
あたしは慌てて両手を振った。
か、か、彼氏なんて…!!!
好きな人も…まだ、いない…のに。
「…ええ〜つまんない〜。…でも、それならあれがいいわっ!ちょっと待ってて!」
といって、お母さんは自分の部屋へと駆け足で行ってしまった。
つ、つまんないって、お母さん…。
それにしても、お母さん、部屋になにを取りに行ってるんだろう。
あたしの服じゃ子供っぽすぎるから、お母さんの洋服でも貸してくれるのかな。
たしかに、その手があった!