工業高校のイケメン達に愛されて【上】
あたしの1人部屋に陸くんを案内して、先に入ってもらった。
あたしは台所に行き、冷たい緑茶を冷蔵庫から取り出してコップに注いだ。
そしてシンプルな白いトレーにコップを乗せ、自分の部屋までこぼさないようにそーっと運ぶ。
部屋の扉を開けると、陸くんは勉強をするローテーブルの前にすでに座って、教材道具を用意していた。
陸くんがあたしを見上げて微笑む。
「陸くん、おまたせ!」
「ありがとう、緋奈ちゃん。」
今日、一緒に片付けようと話していた課題。
いちばーん面倒な数学の課題と、読書感想文を今日はやろうと思っているの。
数学は中学校の復習問題もあるんだけど、地味に冊子が分厚くて終わるのには時間がかかりそう。
読書感想文は…あたしは、書くの苦手だから本を読みながら適当に感想を書いていこう…。
あたしは、お茶をテーブルに置いてから陸くんの向かい側に腰かけたんだけど。
「緋奈ちゃん、こっち。」
と、陸くんは自分の右側の床をバンバンと叩いてきた。