工業高校のイケメン達に愛されて【上】



「…ちゃん…緋奈ちゃんっ!」



陸くんのあたしを呼ぶ声で、ハッと我にかえる。



「固まっちゃってどうしたのー?やりたくないけど…そろそろ課題やろ?」



あ…やばい、あたしったらつい考え込んじゃった。


早めに取り掛からないと今日のノルマが終わらないもんね。


頑張ろっ!



「ごめんね。うんっはじめよう!」



持ってきたコップのお茶を一口くいっと飲んで、あたしたちは早速課題に取り掛かった。


はじめに取り掛かった数学の課題は、中学校と、1学期に習ったものの復習問題の冊子。


この冊子が、結構分厚い…。


そうだ…しかも不運なことに、先生が解答や解説の載ったものをくれなかったんだ…。


というわけで、この冊子を全て自力でやるしかないのだ…。


多分、この冊子の範囲ならなんとかわかると思うけど…。



「うーん、緋奈ちゃん〜…ここわかんない…。」


「ん?どこ?」



となりの陸くんが、シャーペンでトントンと指している問題を見せてもらう。


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