工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「もう、大丈夫だから…。」
「ほんと?」
「うん、だから勉強しよ…っ!」
大丈夫だよ、と言ったものの。
驚きと恥ずかしさで、まだ陸くんと目が合わせることができない。
でも…今のあたしにはこれが精一杯だ。
陸くんは、あたしを見てふにゃっと優しく笑った。
いつもの陸くんの笑顔だ。
「うん!今日中に数学と読書感想文終わらせるぞー!」
「うん!頑張ろっ!」
2人で意気込んで、あたしたちは再びローテーブルへと戻った。
今度は、なんだか気恥ずかしくて陸くんの向かい側に座った。
でも陸くんは、今度はそれには特に何も言わず。
ただ、少しだけ寂しげな表情をしていた気が…する。
そこから、また勉強を再開して。
あたしが、陸くんのわからないところを教えたりして。
微妙に緊張した雰囲気のまま夕方まで過ごして、その日の勉強会は幕を閉じた。