工業高校のイケメン達に愛されて【上】
困っているあたしに話しかけてきてくれたのは、あたしの右隣に座っている男の子だった。
男の子だけど、目がくりくりしててまつ毛が長くて…童顔。
かわいらしい感じ…かな?
「あ、えっと…」
あたしは左隣の男の子のブレザーの裾から手を離した。
突然声をかけられたので、あたしは少し戸惑ってしまい、視線を泳がせてしまった。
そんなあたしのことを気にしていないのか、かわいらしい男の子はにこりと笑ってくれた。
「あ、ごめんね急に!僕は、向田 陸!君の左隣に座ってる無愛想なやつは、相葉 翔だよ!」
あたしを助けてくれた無愛想な男の子は、相葉 翔くんというらしい。
そして、右隣の可愛い男の子は、向田 陸くん…と。
「えっと、向田くん。はじめまして。あたしは、中村 緋奈です。」