工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「へえ〜。君が中村 緋奈ちゃんか!」
…と、返事をしてくれたのは向田くんではなくって、あたしの前の席の男の子だった。
体ごとこちらを振り返って、笑いかけてくれた前の男の子に、どきりと心臓が跳ねた。
「もー、魁斗!今僕が、この子と話してたんだよ!」
前の席の男の子は…魁斗くんというらしい。
一気にはじめましてが続いてて…覚えられるか不安です…。
「陸との会話邪魔してごめんね。俺は坂口 魁斗!よろしくね!」
坂口くん…は、笑顔がキラキラしてて素敵でみんなに優しそうな好青年…って感じの人で。
思わず口を開けてぽ〜っと見つめてしまったけど、慌てて我に返った。