工業高校のイケメン達に愛されて【上】
坂口くんもずいぶんな美形さんなんだもん。
「坂口くん…あたしは、中村 緋奈といいます。よろしくね!」
「へへーん、緋奈ちゃんとお友達になれて嬉しいなー!ね?緋奈ちゃん!」
「えっ?は、はい…!」
笑顔であたしに話を振った向田くん。
あ、あたしたち、もうお友達なの…かな?
「あっ、ありがとうございます。」
友達という言葉に、少し嬉しくなって、思わずお礼を述べる。
「緋奈ちゃん、敬語じゃなくていいんだよ?」
右隣の向田くんが笑顔でそう言ってくれた。
「わ、わかりました…じゃなくて、わかった!」
緊張しているからかな?
敬語じゃなくていいよって言ってくれているのに、思わず敬語になってしまう。
でも、男の子が苦手で不安だったのに…こんなにいい人たちが近くの席でホッとしてる。
それに、この人たちは話しやすい。