工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「でも、相葉くんは優しいよ…?」
「え…?」
「入学式に廊下で初めて会った時も助けてくれたし、今日だってこうして雨やどりさせてくれたり服貸してくれたりあたしの隣についててくれたり。相葉くんは素敵な子だよ!」
「…ははっ。なんだそれ。」
必死な中村に、思わず笑みがこぼれる。
好きなやつに…“素敵な子”なんて言われるのは、なんだかむず痒い。
「まあ、小さい頃の思い出だし。別にもう気にしてねぇから。」
「でも…。」
「ほんとだって。…聞いてくれて、サンキュ。」
俺は、中村の頭を胸に引き寄せて自分のでこをそいつのでこにこつんとくっつけた。
「…わっ」
中村が驚いたように、小さく声をあげる。
俺、本当変だよな。
中村には、無意識に自分から近寄って行ってしまう。