工業高校のイケメン達に愛されて【上】



すると、あたしのことを呼んだであろう人物にぐいっと腕を引っ張られ。


その手が伸びている…目の前の倉庫室のようなところへ飛び込む形に。


後頭部と腰には、たしかに誰かの腕がまわっていて、あたしは今…誰かに抱きしめられている。


心臓がバクバクといってる。


連れ込まれた部屋は真っ暗。


今あたしのことを呼んだのは…あたしの体にまわっているこの腕は、誰…?


背筋がゾッとする感じがした。


知らない、人…?


それだったら抱きしめられるのは嫌、怖い。



「…嫌っ!」



抱きしめてくる人の胸をぐいっと離そうとした、でも…。



「緋奈ちゃん落ち着いて!俺たちだよ。」


「______え…?」



その瞬間、倉庫室の電気がぱちっとついて部屋全体が照らされた。


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