工業高校のイケメン達に愛されて【上】



眩しさで目をぱちくりとさせるあたし。


明かりに慣れた頃、あたしを抱きしめている人物を見上げた。



「______坂口くん!」



あたしを抱きしめていたのは坂口くんだった。


坂口くんは若干眉を下げて、あたしを見下ろしている。


電気のスイッチがあるところには、向田くんがピースサインをしてあたしの方を見ていた。


そして坂口くんの後ろには、壁にもたれかかった滝本くんと相葉くんがいた。


み、みんな…。


ピースサインをすとんとおろした向田くんが、にんまりとした顔で口を開く。



「僕たち、教室で緋奈ちゃんと別れてからこれから授業サボれそうな場所探してたんだよね〜。」



えっ…!


それは不真面目です…向田くん…。


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