工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「この部屋良いんじゃねって話してて。そしたら、バタバタ騒がしい音と女の悲鳴が聞こえたんだよ。」
壁にもたれかかったまま、少しだるそうにいった滝本くん。
「それで扉を開けてみたら、緋奈ちゃんが追いかけられてたってわけ。」
あたしを解放して、頭をポンと撫でてくれた坂口くん。
「あ、ありがとうございます…。」
すごい偶然に…みんなに心から感謝した。
なんだか腰が抜けてしまって、その場にぺたんと座り込んだ。
はあ…こ、怖かったあ…。
思わずじわりと涙がにじむ。
みんながここにいなかったらあたし、今頃どうなっていたんだろう…。
考えただけで、恐ろしい。
でも、みんなのおかげで本当に助かった。