工業高校のイケメン達に愛されて【上】



「この部屋良いんじゃねって話してて。そしたら、バタバタ騒がしい音と女の悲鳴が聞こえたんだよ。」



壁にもたれかかったまま、少しだるそうにいった滝本くん。



「それで扉を開けてみたら、緋奈ちゃんが追いかけられてたってわけ。」



あたしを解放して、頭をポンと撫でてくれた坂口くん。



「あ、ありがとうございます…。」



すごい偶然に…みんなに心から感謝した。


なんだか腰が抜けてしまって、その場にぺたんと座り込んだ。


はあ…こ、怖かったあ…。


思わずじわりと涙がにじむ。


みんながここにいなかったらあたし、今頃どうなっていたんだろう…。


考えただけで、恐ろしい。


でも、みんなのおかげで本当に助かった。


< 58 / 377 >

この作品をシェア

pagetop