工業高校のイケメン達に愛されて【上】



「えっと…あたしがその高校を受けたのは、女手一つで育ててくれたお母さんに、将来のために恩返ししたくて…。学歴とか、一生懸命取り組んだ経験…とかを手に入れて、将来お母さんの役に立ちたいなって。」



いつもはわやわやと騒がしくてかわいい向田くんが、黙って聞いてくれている。



「塾は、無理やり通わせてもらって…今は、とりあえず全力で頑張りたいって。でも、結果的に落ちちゃって…。」



でも、この高校に入って勉強面はまだ正直不安もあるけど、ぶっちゃけ志望校じゃなくて、ここに通うことになって…よかったのかもしれない。



「それでもお母さんは優しくて。進学校だとかそうじゃないとか、頭がいいとか悪いとか関係なく、あたしが高校楽しんでくれればいいって言ってくれたんだ。」


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