鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
文化祭、開始(鈴木ありさ)
朝、わたしは教室の自分の席に着くなりいつものカバンをしまって、もうひとつのカバンを開けた。
メイク道具がたっぷり入ったカバンを覗き込んだクラスメイトが、凄いね、と笑った。

今日は文化祭。
うちのクラスは、男装女装喫茶店をオープンすることになっている。

女子は男子の格好で。
男子は女子の格好で。

わたしはそのみんなのメイク係だ。
なので男装はしなくてもいいので、いつもの制服でいる。

ほかの皆は、着替えに更衣室に向かっていった。
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