鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
それからと言うもの、わたしはよく隣町に出かけた。
仕事で用があっても、なくても。

で、彼の働くイタリアンレストランの前を通る。
大きな窓から、彼が働く姿が見える。

彼がいるときは、わたしは食事をしに立ち寄った。
彼が見当たらない時は、入らなかった。

秋の始め頃には、わたしはすっかり店の常連客だった。
彼の働く姿はカッコいい。
眺めているだけで、時間が経ってしまう。
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