鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
暫く、そっと瀬田君を眺めていた。
女ひとりでお化け屋敷ってのも淋しいし、瀬田君にもそう思われたくないし。
不審者に見られないように何となく気をつけながらも、その場から離れられなかった。

そこには、働くいつもの姿とは違う、学生らしい彼がいた。
友達と無邪気に笑い合ったり、イタズラでもされたのか、ちょっと拗ねたり。
働いている時のクールな表情しか知らないわたしにとって、どの表情も新鮮だ。

「瀬田、カップルコンテスト出るんだって?」

「あ? おう!」

友達の言葉に、彼はあっさり肯定した。
カップルコンテスト?
え、なにそれ……?
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