鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
わたしは瀬田君が衣装を用意している間に、一旦教室に戻ってメイク道具をまとめた。
それをカバンにしまって手にし、教室を出る。
折角コンテストに出るなら、可愛い美空に磨きをかけて、ますます可愛い美空にしよう。

って、自分のクラスを応援しないのも気が引けるけど、親友が一番だ。
ごめん、青葉さん、桃瀬さん。
でも彼女達は二人で、自分達で、準備出来るだろう。
多分美空は一人では、準備出来ない。

それどころか、本当に逃げ出すかも知れない。

瀬田君と連れ立って、美空の元へと歩く。
校舎の2階の窓から、こちらに向かって歩く美空が見えたので、すれ違うことはないだろう。
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