鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
体育館裏へ回ると、カップルコンテスト用の簡易的な、男子更衣室と女子更衣室が出来上がっていた。

「はい、お前の分」

「う、うん……」

美空は、差し出された紙袋をかろうじて受け取った。
出来れば受け取りたくない、といったように、おずおずと。
瀬田君はそれを確認して、自分の衣装の紙袋を手に、男子更衣室へと入っていった。

「ありさぁ……」

まだ渋る美空に、言い聞かせる。

「なによ、さっさと着替えましょ?
あんまり時間ないよ?
ほら、まわり、見てみ?」
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