鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
「え、なに?」
美空のヴェールを下げて、顔を覆う。
透けるヴェールから垣間見える美少女花嫁。
これはこれで、いいなぁ。
「ちょっと待っててね」
そう言い残して、わたしは慌てて体育館を出る。
学校近くの花屋さんに駆け込んで、小さな花束をひとつ購入した。
夕方のこの時間帯、すぐに買える花束はあんまり残っていなくって、あんまり選べなかった。
それでも取り敢えず、ドレスに合わせてピンクと白の、小さな花束を手にした。