鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
「うっさい、彼女の顔を見せろ!」

「採点できねぇぞ?」

瀬田君が彼女を庇うようにいった一言は、火に油を注いでしまったようだった。
わたしも実は、イラっとした。
役柄だとしても、うちの嫁とは。
どうしてその子をさっきから、そんなに大事に庇うの?

優しく声をかけたり。
手を伸ばしてエスコートしたり。
背中を撫でたり。
今もそうやって庇って。

その時、彼女がヴェールを上げた。
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