鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
「由美、ここから出ようか?」

「だめだよ加奈子、仕事が、残ってるし……」

「でも、辛そうだよ……?」

あたしと加奈子は、放送部だ。
文化祭の放送係をしていて、体育館裏の小さな放送室で仕事をしていた。

窓から外の様子を見て、タイミングを図りながら、効果音や音楽を流す。

窓からは、周囲がよく見える。
舞台も、舞台袖も。

「わたしが、やっとくからさ。
由美、気分転換してきなよ」
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