鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
「すごいね、本当に新郎新婦みたいだよ?」

鈴木さんはふたりに向かって携帯を向けて、写真を撮った。
仲の良い二人がようやく収まるところに収まった、と、喜んでいるように見えた。

「あとでメールで、美空のお母さんに写真送ってあげよう」

「え、お母さんに?」

「あ、勿論美空にも送ってあげるから」

「え? や……。
貰ったとして、どうしろと……?」

「夜寝る前に眺めて、俺に愛を語ってくれてもいいんだぞ?」

「そんなことしないわよっ!」

楽しそうな声が聞こえる。

< 194 / 254 >

この作品をシェア

pagetop