鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
「お前はずっと宣伝で出ていてわかんなかったと思うけど、ずっと行列できてた」

「えー? 行列?!
……凄いね?」

彼女は素直に凄いと喜んでいる。
それが自分の人気によるものだとは、夢にも思っていないようだ。

高橋が話し合いのときに言っていた
「立花ちゃんが輝くことをすれば成功する!」
は、ある意味的中したと言えるだろう。

ま、波乱もいくつか呼んだみたいだけど。

「お前のおかげだけどさ。
やっぱり一人で歩かせるんじゃなかったって、思った」

「いやいやまさか」

あたし、何もしてないよ?
と、立花は笑った。
謙遜でもなんでもなく、本当にそう思っている顔で。

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