鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
「……由美?」
怖い顔と泣きそうな顔を、交互にしているよ?
と、加奈子が心配そうにわたしの顔色を伺っている。
「あ、ちょっと、ビックリして……」
わたしは小声で返事をして、力なく笑った。
目の前のいちごオレは、すっかり氷が溶けてぬるくなっている。
以前、いちごオレを飲む立花さんを、瀬田君が優しく頭を撫でる姿を見たことがあった。
いちごオレなんて可愛い飲み物飲んでたら、ちょっとは女子力上がったりとか、瀬田君が見てくれたりとか……。
可愛いじゃんって、ちょっとでも思われたりしないかな、なんて。
そんな想いで、最近飲んでいるんだけど。
なんだか、仲良さそうな二人の様子を見ていると、目の前のいちごオレを選んだ自分がバカバカしくなってくる。