鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
「瀬田君?」

「ん?」

加奈子の声に、瀬田君は振り向いた。
喫茶店のカウンターで、コーヒーをすする姿も絵になっていて、カッコいい。
長い足、整った顔、さらりと触り心地の良さそうな髪……。

「ほら由美、見とれてる場合じゃないよ、聞いてみなよ」

加奈子が、耳元で言う。

「あの、瀬田君……。
わたしのこと、知ってる……?」
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