鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々

「お前、そーゆーコト本人に聞いちゃうわけっ？
てか、まだ伝わらないわけっ？」

がっくりとしつつも頬を赤らめる瀬田君の様子を見ていれば、大体、なんとなくだけど、察しはつく。
本気で鈍いもんね、立花さん。
瀬田君が好きだってことどころか、きっと彼女は、自分が学校１可愛いってことも、モテモテだってことも、知らない。

私たちクラスメイトは、そんな立花さんと瀬田君を、そっと見守っている。
なんだか、少女漫画か小説から飛び出して来たような、イケメンと美少女の恋物語を、目の前でドラマを観ているような気持ちで、見守ってしまうんだ。
水を差すことなんて、出来ない雰囲気が、二人にはある。