私とキスと横恋慕。
「じゃあ、また明日ね。」
「あ、沙々。ひとつ言い忘れてた。」
「ん?なぁに?」
桐山がなんかニヤニヤしている。
こういうとき、コイツは大抵悪巧みをしている。
「肩んとこ。キスマーク付けといたから、
あとで確認しといて。」
「え?キ…へ?」
「御岡なんぞに死んでも渡すか、っていう印だから。」
桐山が私の耳元でそう囁くから、私の熱は一気に上昇した。
「桐…っ」
桐山は冷たい手で私の頬に触ると、なにも言わずに帰っていった。