私とキスと横恋慕。
「ただいま……」
「おかえりー」
家に入るとすぐ2階にかけ上り、自分の部屋に入った。
「うぅ~」
心臓まだバクバクいってる。
もしかして
桐山は美羽より私のことが好きなんじゃ…
って違う違う!!
私はみじめな期待を振り払うため、
自分の頬を両側から叩いた。
桐山は美羽のこと好きにならない、なんて言ってたけど、
どうせ私を繋ぎ止めておくための嘘だ。
きっとそうだ。
そう思っておかないと。
うぬぼれたままじゃ違ったとき戻れなくなる。
桐山に落ちていけばいくほど、
落ちていく先にあるかもしれないナイフに
深く
深く
突き刺さるのだ。