私とキスと横恋慕。
私と冬と横恋慕
初めて桐山と話したのは5月だった。
中間考査の最終日、
数学係の私は、数学の課題を回収しなくてはならず、教室に残っていた。
***
38、39…
あと1冊足りない…
教室を見渡すと、雑談するグループと桐山くんが残っている。
桐山くんはちょっと怖いけど、なんか意地でも声を掛けなきゃいけない気がした。
「桐山くん。課題、回収したいんだけど…」
「あ…」
私を見上げた桐山くんは
思っていたよりも整った顔立ちで、
思っていたよりも低くて落ち着く声だった。
「あ、の…急がなくてもいいんだけど…」
「ちょっと待って。
あと1問だから。」
「っっ…あ、うん!待つ。」
ふ、不覚にも…きゅんとしてしまった!
『ちょっと待って』ってなんか可愛い。
それにちゃんと課題を終わらせているのも意外だった。
これがギャップ萌えってやつか!!!