私とキスと横恋慕。
お化け屋敷は割と空いていて、
すぐに中に入ることができた。
ここのお化け屋敷は乗り物式で、
美羽、桐山、私、御岡くんの順番で4人で並んで座った。
係員の「いってらっしゃい」の台詞でガタゴトと音を立てて暗闇の中に入っていく。
「桐山くん…手、握っててもらってもいい?」
「いいよ。」
言葉が
喉のすぐそこまで来てる。
早く終われ。
早く終われ。
私の口が閉じているうちに…
「沙々?大丈夫?」
「え……」
御岡くんが心配そうに私に話しかけた。
「うん!平気!ワクワクするね♪」
「無理すんな。」
御岡くんは私の握りこぶしの上に自分の手を重ねた。