私とキスと横恋慕。
「沙々……」
美羽が不安そうに私のコートの裾を掴んだ。
まさかナンパ!?
遊園地で?
「私たち彼氏と来てるんです。」
「でも今いないじゃん!」
「そろそろ順番回ってきちゃうよ?」
「すぐ戻ってきます。」
前の二人組はそれでもめげずにニコッと微笑みかける。
「君たち高校生でしょ?
せっかく可愛いんだからさ、同い年なんか相手にしてねぇで、俺たち大学生とかと遊んでみなよ。」
「…………」
「金もいっぱい持ってるしさ!
いろいろおごってあげるよー?」
「えっ、おごって…?」
「ちょ、沙々!」
あ、しまった。
つい目を輝かせてしまった。