私とキスと横恋慕。
「おっ、君ノリいいねー!」
「観覧車乗ったあとゲーセン行こうぜ。」
「いや、ごめんなさい。やっぱ行けません…」
あー、もう。
めんどくさいことにしちゃった…。
「そっちの君も!行こうよ。」
男の一人が美羽の腕を掴もうとしたので、私は慌ててその手を払った。
「友達に触らないで!」
「ふーん、じゃあ君になら触っていいってわけ。」
「そんなこと言ってな…」
「君小さいけど、めちゃくちゃかわいいよね。」
その男は私の髪を持つと、そんな甘い台詞を言う。
背筋に悪寒が走った。
桐山が言うのと全然違う。
全然…私の心が動かない。
「待てっ…」
え?遠くで聞きなれた声…
御岡くん?
"待て"って何が……
「待て!桐山っ!!!」
その瞬間、風圧で私は一歩後ずさりした。
目の前には男の顔の前で寸止めされた桐山の拳があった。