私とキスと横恋慕。
***
まぁ、これは単なる事務的な会話なんだけど…。
本格的に私が桐山を好きになったのは
夏休み前のことだ――
***
10分休み、トイレからの帰り道
私は廊下の窓辺になんとなく近づいた。
あっついな~…
夏場はこの背中まで伸びたロングヘアーもうざったくなる。
ふと窓の下を見ると、すぐ近くに人が座っていた。
「桐山…くん!?」
ビックリしたぁ…
「あ、松永。」
名前…覚えてくれたんだ。
「こんなとこで何してんのー?サボリ?」
「あーたり。」
思っていたよりも明るく笑った桐山くんに少し動揺する。
「そんなんじゃダメだよ。
単位落としちゃうかも…って、何やってんの!!?」
「ん?」
ん?、って!
あなたが口にくわえてるもの、タバコじゃありません!?
「だ、ダメダメー!!」
私は思わず窓枠に足を掛け、
外の中庭に着地した。