私とキスと横恋慕。
私と夢と真実
ダブルデートから帰ってきて、私は心地よい疲れのなか眠りにつく。
「いろいろ大変だったけど、楽しかった。
御岡くんと桐山も仲直りできたみたいだし。」
あれ、
私誰と話してるんだ…
いつもの教室の中で白い椅子に座る人が顔を上げた。
『そうだな。楽しかった。』
「桐山…?」
桐山は珍しく微笑んだ。
ほんものだ。
なかなか二人きりになる時間ないから嬉しいな。
『沙々は俺のこと好き?』
「好き!好きだよ。
美羽なんかと早く別れて。」
あ、
れ?
私、何言ってんの!?
お化け屋敷の時出かけたような言葉が口から滑り出ていく。
「美羽より私との方が仲いいじゃん。
いっぱいキスもした。
抱きしめ合って、名前で呼んで、それでなんで私じゃなくて美羽なの!?」
『…………』
「桐山!!」
『お前…分かんないの?』
『俺の本命は美羽だけだ。』
**
「っっ…」
目が覚めて、私は心底安心した。
そのあと考えた。
夢の中の私はあのあとどうなったんだろう。
きっと私が夢から覚めたんじゃない。
夢が私を起こしたんだ。
私はきっとあのあと、桐山に落ちてった分深く刺さったナイフで
血まみれになるのだろう。