私とキスと横恋慕。
学校に着いてからも、いまだに心が落ち着かない。
「おはよう沙々。昨日はありがとね!楽しかった。」
「…………」
「沙々?」
「…美羽!おはよ!」
「…………おはよう。」
美羽はぎこちなく笑って、自分の席に戻っていった。
あれ、なんか美羽…様子変だった。
様子が変なのは私もだろうけど。
私が重たいため息をつくと、後ろから髪の毛をぐしゃっとされた。
「っちょ、何!?」
「朝からキーキーうるせぇな。」
「桐山……」
うわ、なんか
会いたくなかった。
「……っ私なんかどうでもいいでしょ。美羽んとこ挨拶行け。」
「へいへい。」
桐山はすぐに美羽の席へ行ってしまった。
私はボサボサになった髪を整えながら、横目で二人が会話するのを盗み見る。
『俺の本命は美羽だけだ。』
ハハ…
夢引きずるとかバッカみたい。
私は何事もなかったかのように、美羽たちから目をそらした。