私とキスと横恋慕。
「違うよ。だって桐山くん、好きな人いたもん。」
「好きな……人……」
「うん…。」
え…桐山に?
嘘…
思いがけない告白に一瞬思考停止したが、
慌てて冷静を取り繕う。
「でも、今は…美羽のこと好きかもしれない。
ううん。絶対好きだよ。
だって昨日あんなに幸せそうに手繋いだり、腕組んだり…」
「全部私から求めたことだし。
……ねぇ
沙々…
桐山くんと浮気してるでしょ。」
心臓が
何かで貫かれたような気がした。