私とキスと横恋慕。
バレた…
バレたバレたバレた…
「っあ…………、あ……」
声が……出ない。
「やっぱり。」
美羽は怒る風でもなく、苦笑いした。
「…ちが…………」
「いいの。悪いのは全部あたしだから。」
「違う!!」
美羽は目をまんまるくして私を見つめた。
「…私だ。一番の悪者は、私。
美羽を傷つけたくなくて…ううん。私がきれいでいたくて、美羽に嫌われたくなくて、浮気って形で逃げた。
私、桐山が好き。
最初からこう言えば良かったのに…ごめん。ごめっ……」
途中から涙がポロポロと頬を伝って落ちていった。
私が泣くとか意味わかんないじゃん。
泣きたいのは美羽なのに…。
「沙々は…悪くない。
だってさ、最初に桐山くんのこといいよね、って推してきたの沙々じゃん。
なのに私が本格的に桐山くんを好きになったら『私はもう他にかっこいい人見つけた』って、私に譲って…っ
沙々の方がずっと前から…!」
「長さなんて関係ない…。」
「それに…っ、沙々の方が桐山くんと仲良くて……」
「でも!彼女は美羽じゃん!!
私は…本命じゃない!私は…」
その言葉を言い終わる前に、美羽が私に抱きついてきて、
私たちは二人で昼休み中ずっと泣いていた。