私とキスと横恋慕。




なんで私を責めないの?


どうしてそんなに優しくなれるの?



美羽の優しさが私の心をさらにえぐる。


きっと責められて、ぶたれた方がましだった。





5時間目開始のチャイムが鳴るころ、だんだんと私たちは落ち着き始めていた。



「アッハハ…号泣。目、真っ赤。」


「…………」



私は無言で美羽から目をそらした。



「沙々。本当に、沙々だけが悪いんじゃない。」


「ホントのこと言ってよ!

どんな言葉だって…受け止めるから。」



美羽は首を横に振った。



「慰めでも、見栄張ってるんでもない。

本当にそうなの。

私から詳しいこと言うわけにはいかないんだけどね、私が悪かったのも確かだよ。」


「…………」


「それでも……友達でいてくれる?」


「っっ……」


私はまた溢れてきた涙のせいで頷くことしかできない。




「ごめんね、沙々。」


「ご、めんっ……っ…」



美羽は潤んだ目を細めて、にっこりと笑った。






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