私とキスと横恋慕。

「下品な女だなー。」


「バカっ」


私は桐山くんの口にあったタバコを取り上げた。


「何すんだよ。」


一瞬ビクッとしたけど、私は怯まない。



「た、タバコはだめ！肺がんになっちゃうよ？」


「肺がんー？」


「そもそも法律で禁止されてるし…」


「お前に関係ねーじゃん。」


冷たいその口調に胸の奥が苦しくなる。



「あ、あるよ！

桐山くんが死んじゃったらやだ！！」


「…………」



桐山くんはちょっと驚いたように見えた。


しばらくの沈黙のあと、桐山くんは言った。



「じゃあやめる。」


「え…」



私の持っていた一本とタバコの箱を持って、

桐山くんはそれらをゴミ箱に捨てた。